ひこうき雲
白い坂道が空まで続いていた
ゆらゆらかげろうが あの子を包む
誰も気づかず ただひとり
あの子は昇っていく
何もおそれない、そして舞い上がる
空に憧れて 空をかけてゆく
あの子の命はひこうき雲
教育実習で中学校に行った時教えた男子生徒が、高校3年生になって間もなく交通事故で亡くなってしまった。
印象に残っていた生徒だったので良く覚えていたし、教育実習後会った時は話したりもしていた。
全く突然の死。
朝、彼が事故に遭ったことを聞いて仕事に出かけたが、まさか死んでしまうなんて思ってもいなかった。
毎朝バイクで牛乳配達のアルバイトをしていた彼は、何故かその日いつもより早く家を出て、居眠り運転のトラックに正面衝突されてしまった。
亡くなった知らせを聞いてから、この「ひこうき雲」の曲が私の頭の中で鳴り続けていた。
何もおそれていなかったわけではないだろう。悔しかっただろうし,怖かっただろうな。ひとり、思いもせずに旅立たねばならなかったこと。まだ17歳で。
それ以来この曲を聴くたびに、彼の事を思い出す。